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吹田市立図書館 Suita City Library

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「吹田市立図書館のあり方について」の答申後の経過報告について

平成19年(2007年)8月
吹田市立中央図書館

答申後の経過報告について

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平成17年(2005年)11月に将来を展望した吹田市立図書館のあり方についての答申が出されました。この中で、図書館の基本方針を確認し、同時に年次計画・中長期計画もしくは目標を策定することが肝要であるとし、考えられる基本方針として12項目、これら基本項目に基づく図書館を実現するために必要な留意点を4項目が挙げられています。これらを基に吹田市立図書館では平成18年度(2006年度)より吹田市立図書館の基本方針と目標を改めて定め、サービスを展開し、年度末にそれぞれのサービスについての検証を行うことといたしました。答申が出され2年近くが経ち、図書館を巡る環境も大きく変化をし、答申の中身において、図書館として何が達成され、何が達成されていないかをあらためて検証することといたしました。方法としましては、答申の4.これからの吹田市立図書館のあり方に挙げられてある具体的な「あり方」の提案に添ったかたちで検証をしてまいります。

4.これからの吹田市立図書館のあり方 注:答申11ページ
4.2 図書館サービス
4.2.1 図書館資料の充実〈作業中あるいは達成されたもの〉


平成14年(2002年)4月に「吹田市立図書館資料収集方針」及び「選定基準」を策定し、これにのっとって選書を行っています。また、これら収集方針及び選定基準につきましては現在ホームページにおいて公開しています。郷土行政資料につきましては郷土資料担当者会で、郷土・行政資料等の収集計画やデーターベースの作成等を行い、中央図書館を中心に分担をしあって収集に努めております。地域の特性に合わせた資料の分担収集・保存については、千里図書館では多文化資料、江坂図書館ではビジネス支援に関する資料を収集・保存するなど一部、分担収集と保存が行われていますが、全館規模にはまだいたってはいません。〈達成できていないもの〉資料費等につきましては関係部局と折衝しておりますが、平成18年度(2006年度)決算ベースでは、北摂の各図書館と比較して、前年度と同じく第4位となっております。厳しい財政事情の折り、毎年全体の図書館費が減額されていく中で、何とか資料費だけは現状維持を保っている状態です。また、中央図書館と千里山・佐井寺図書館を除く各館では書庫スペースが殆ど無く、それぞれが複合施設でもあり、新たに書庫を設置する余裕も無いのが現状です。

4.2.2 図書館サービスの充実と拡大

1 資料・情報の提供の充実〈作業中あるいは達成されたもの〉


平成16年(2004年)4月よりインターネットを取り入れたシステムに変更を行いました。インターネットの発達は情報の収集や伝達方法を大きく変え、図書館のサービスにも大きな変化をもたらしています。家庭のパソコンや携帯電話からインターネットを利用した予約が出来るようになり、予約件数は平成18年度(2006年度)では36万件を超えインターネットでの予約を実施する前と比較すると3倍以上に増加しました。図書館のホームページも使いやすいように改良を加え、掲載する情報量を増やすとともに、今年7月からはメールマガジンと新着図書お知らせサービス(SDI)の情報発信を新たに立ち上げました。

2 レファレンスサービスの充実〈作業中あるいは達成されたもの〉


レファレンスにおいてもインターネットを利用したe-レファレンスを実施し、回答もメールで送り返しております。レファレンスにおいても職員がインターネットによる検索技術にいかに精通しているかが問われるようになっています。図書館では、職員に対し、不定期ではありますが、こういった技術力向上のための研修を行っています。

3 児童サービスの充実〈作業中あるいは達成されたもの〉


児童サービスの充実に向けては、学校教育部、児童部、保健センター等と連携を図り、引き続き積極的に取り組んでいます。平成18年(2006年)4月には子どもの読書活動優秀実践図書館として文部科学大臣表彰をうけました。平成18年度(2006年度)の児童を対象とした行事への参加者は13,000人を越え、ブックスタートの読み聞かせの会への参加者は16,000人を越えています。図書館では0歳~5歳までの子ども向きの絵本の年齢別紹介パンフレットや夏休文庫「もうよんだかな?」、新1年生を対象とした「おめでとう1年生」といったパンフレットを作成し配布すると共に各館で特設コーナーを設置し図書館に来た子どもが手に取れるよう工夫を行っています。 乳幼児サービスでは、ブックスタートのほか、1歳児とその親を対象とした「抱っこでえほん」の講座が中央図書館以外では千里山・佐井寺図書館でも開催されるようになり、0~3歳児を対象にした読み聞かせ「おひざでえほん」は、山田図書館と北千里分室を除く図書館で開催されるなど、広がりを見せています。また、平成18年(2006年)6月より自動車文庫の駐車場所でもある千里丘市民センター内で駐車時間内に読み聞かせの会「出前ブックスタートのひろば」を行うなど新たな取り組みを始めています。〈達成できていないもの〉学校との連携では,配本車の設置など配本体制が出来ていないため、せっかくの団体貸出が十分に利用されていません。また、スペースの問題等もあり、各図書館で児童の部屋に子育てのコーナーを設置するには至っていません。

4 ヤングアダルトサービスの充実〈作業中あるいは達成されたもの〉


青少年に対する取り組みでは、中央図書館、千里図書館、さんくす図書館、千里山・佐井寺図書館でコーナーを設置している以外新たな進展は見られません。〈達成できていないもの〉青少年に対するサービスは、吹田市立図書館が取り組めていないサービスのひとつとなっています。各館では、せいぜいコーナーを設置し、資料の収集を図ることが精一杯であり、コーナーの設置の出来ていない図書館もあります。また、中学、高校との連携では、中学生の職業体験を受入、図書館の仕事に触れてもらっていますが、他の取組みはできていないのが現状です。

5 図書館サービスの利用がさまざまな理由から困難な市民へのサービスの充実〈作業中あるいは達成されたもの〉

  1. 障害者サービスの充実障害者サービスでは、障害者サービスの拠点館である千里山・佐井寺図書館を中心に全館でサービス展開を行っています。障害者サービスには欠かすことの出来ないボランティアの養成につきましても、音訳・対面朗読技術講習会を12回、音訳対面朗読ボランティア初級講座を20回、点訳ボランティア養成中級講座を10回、デイジー図書製作、機器操作等の講座を10回を実施しました。平成18年度(2006年度)統計によりますと、対面朗読の実施回数は616回(前年度比19%増)、デイジー図書の貸出が670タイトル(前年度の2.1倍)、デイジー図書の制作が56タイトル(前年度の2.9倍)となっています。平成17年度(2005年度)から点字図書の制作も始めました。図書館では利用者の声を聞く場として毎年、利用者、ボランティア、図書館、その他関係機関からなる懇談会を開催しています。
  2. 来館が困難な市民へのサービス自動車文庫で養護老人ホームやデイサービスセンターを訪問し、団体貸出を実施しています。
  3. 高齢者のサービス高齢者に対するサービスといたしましては、自動車文庫による養護老人ホーム等への団体貸出に取り組んでいるほか、各館でも大活字本の所蔵を増やす努力を行っています。
  4. 多文化サービスの充実多文化サービスでは、千里図書館が中心になり、資料の収集や講演会等を実施しています。現在は、利用実績から中国語で書かれた本の収集に力を入れています。平成18年(2006年)1月には在住外国人向けの利用案内を改訂し、情報量を増やしました。〈達成できていないもの〉障害者サービスでは、今後デイジー図書の需要がますます増加していくと思われます。図書館ではボランティアの養成講座を毎年実施しておりますが、デイジー機器の絶対数も製作ボランティアも少なく、需要に追いつかない日が来るのではないかと懸念されます。また、来館が困難な市民へのサービスでは、宅配等も含めた配本の方法について研究中で具体的なサービスまでにはいたっていません。高齢者へのサービスも、宅配等も含めて研究中です。多文化サービスでは、データーを整備し、原語で検索できるようにしていくことが求められており、早急に取り組んでいかなければならないと考えています。また、多文化を理解するための講座や講演会の実施、職員の養成等、取り組むべき課題が山積しています。

6 ビジネス支援のためのサービス展開〈作業中あるいは達成されたもの〉

江坂図書館を中心に、所蔵冊数の増加を図り、幅広く経済関係専門紙誌やパンフレット類の収集を行っています。〈達成できていないもの〉ビジネス支援については当図書館としても手探りの状態であり、ビジネス支援のためのデーターベースの強化、セミナーや研修会等の開催に向けての環境作り等取り組むべき課題が山積しています。

7 キャリアアップなどの利用者の新たなニーズにあったサービスの充実〈作業中あるいは達成されたもの〉

利用者のニーズは、各館でのカウンターやフロアーワークの中で、各職員が把握し、選書や特設コーナーの設置等に反映させています。図書館内部の各種委員会の中で情報交換を行うことで共通の情報となるように図っています。

4.2.3 学校図書館・児童館・児童センターなどとの連携・協力〈作業中あるいは達成されたもの〉

学校との連携・協力では、団体貸出しを利用して、職員が毎年夏休みに読んで欲しい本(夏休み文庫)を選定し、夏休み後にパックにして学校等に貸し出す夏文パックを平成17年(2005年)9月より実施し、平成18年度(2006年度)は16校の小学校で利用いただいています。調べ学習等、学校の授業に利用する資料の団体貸し出しも増加しています。平成18年度(2006年度)に図書館見学に来館した小学校は18校、幼稚園は8園、保育園は2園でした。中学生の職業体験はのべ19校を受け入れました。図書館職員が本の紹介や読み聞かせを行うために出かけていく学校訪問では、小学校6校、学童保育7校、保育園5園を訪問しました。〈達成できていないもの〉児童館・児童センター図書室との連携については図書館内部で研究中です。学校図書室との連携についても、教育センター、指導課と話合いの場を持つなど、現在研究中です。

4.2.4 IT化への対応〈作業中あるいは達成されたもの〉

平成16年(2004年)4月に現在のシステムを導入し、家庭のパソコンや携帯電話からインターネットによる予約ができ、自分の借りている資料を確認できるようになりました。また、E-メールによるレファレンスを受付ています。平成19年7月からは、ホームページのリニューアルを行い、メールマガジンや新着図書お知らせサービス(SDI)を行っています。同時に職員による委員会を立ち上げ、より良い情報の提供に向け、たゆまず努力を行っています。千里山・佐井寺図書館では、インターネット講習会を実施しています。〈達成できていないもの〉予算やスペースの問題もあり、全館にインターネット端末を豊富に設置することができていません。したがって情報リテラシーに関する利用者向けのわかりやすい講習会も千里山・佐井寺図書館以外では実施できていません。

4.2.5 図書館ネットワークの整備〈作業中あるいは達成されたもの〉

インターネットにより、全国のほとんどの図書館の蔵書検索が可能となっています。図書館では、予約を受ければ、全国どこの図書館からも貸し出しを受け利用者に提供する用意があります。大阪府立図書館や豊中市立図書館、箕面市立図書館とは週1回の連絡便が運行していますので、本の提供がよりスムーズになっています。所蔵検索は、大阪府立図書館の横断検索を利用すれば、府内各図書館の同時検索ができます。また、市内の各大学図書館や類縁機関と基本協定を結び地域連携の推進を図りました。現在大阪府立国際児童文学館との連携に向け検討をしております。〈達成できていないもの〉図書や雑誌の共通返却は実施しているものの、AV資料については実施できていません。実施に向け現在検討中です。近隣市との広域利用についても検討課題となっています。

4.2.6 PR活動の重視〈作業中あるいは達成されたもの〉

ホームページ上でのお知らせやケーブルテレビでのPR活動は現在でも行っています。館内にポスターを張り、パンフレットを置いてのPRや、他の公共施設にパンフレット類をおいてのPR、広報、新聞を通じても機会を捉えて行っております。また、図書館使いこなし講座も実施しております。〈達成できていないもの〉図書館の実利用者数は人口の20%を切っており、PRがまだまだ足りないと言わざるを得ません。

4.2.7 生涯学習機関としての図書館〈作業中あるいは達成されたもの〉

「文字活字文化の日」にちなんだ講座や、上方芸能・文化に関わる人たちの講座を全館で行う等、児童文学・文化に関わる人たちを招いての講演会や講座を実施してまいりました。また、図書館活動にかかわる団体への集会室の提供や保育園父母会や学校PTA等の出前講座を実施し市民の読書活動の支援を行っています。〈達成できていないもの〉市民が発する情報を幅広く受信し、他に伝達する仕組みづくりにつきましては今後の検討課題となっております。

4.2.8 開館時間・休館日について〈作業中あるいは達成されたもの〉

開館時間や開館日の拡充を重要な課題と考え取り組んでまいりました。市民の方の利便性、施設の有効活用の観点から、平成19年(2007年)10月より、祝日等の開館日の拡充に取り組んでまいります。

4.3 システムとしての図書館〈達成できていないもの〉

毎年の年次計画につきましては作成し年度末に検証も行っておりますが、図書館全体の組織の見直しや、中長期計画作成につきましては今後の重要な検討課題となっております。

4.4 図書館としての情報公開と評価〈作業中あるいは達成されたもの〉

毎年の活動報告を作成し、公開をいたしております。また、ホームページや印刷物を通して出来る限り情報公開に取り組んでおります。また、自己評価につきましては年次計画を作成しそれを検証する中で各館で行っております。〈達成できていないもの〉図書館協議会等の第3者評価につきましてはこれからの課題となっております。

4.5 図書館協議会〈作業中あるいは達成されたもの〉

図書館協議会の活動は図書館にとって重要であり、図書館協議会からは、(仮称)新山田図書館へのPFI事業導入についての意見書や将来を展望した吹田市立図書館のあり方についての答申をいただきました。積極的な活用につきましては今後の検討課題としております。

4.6 利用者や市民活動との協働〈達成できていないもの〉

障害者サービスにおいては、利用者、ボランティア、図書館、関係機関との懇談会を実施しているものの、直接利用者と図書館との懇談の機会はまだ持てないでいます。又、図書館の企画への市民参画についても今後の重要課題となっています。

4.7 図書館職員〈作業中あるいは達成されたもの〉

研修委員会で職員の研修の計画を立て、定期的に研修を行っているほか、児童サービスや一般サービス等でも独自に研修計画を立て職員の研修を行っています。今後とも職員研修につきましては、重要課題として、あらゆる機会を捉え行ってまいりたいと考えています。