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2010年度

図書館に寄せられた、身近な疑問・ユニークな質問・四苦八苦(?)した難問をご紹介

児童文学を日本語版、仏語版、英語版で読みくらべたい!

フランスの児童文学『ノエル先生としあわせのクーポン』シュジー・モルゲンステルン/著(講談社)を、原書(仏語版)と英語版と日本語版と、3種類で見比べて読みたいのだが、とのお問合わせがありました。吹田市の図書館に3冊そろっていなくても、もちろん、とにかくお探しします!

まず、日本語版の本のあとがきや奥付から、フランス語版が出た後に英語版も刊行されていることや、フランス語版の原題が「Joker」であることが分かりました。日本語版とは全く違うタイトルです。

フランス語版「Joker」は、大阪府内の公共図書館や大学図書館では所蔵が見つかりませんでしたが、東京にある国立の国際子ども図書館に所蔵が見つかりました。国際子ども図書館の所蔵はインターネットで検索できます(アドレスはhttp://www.kodomo.go.jpです)。

でも英語版が「Joker」という題で探しても見つかりません。題が違うのかも。

同じ著者の作品は数がとても多く、その中でどの作品なのか、判断が難しいです。探していくと、邦題と近い意味の「A Book of Coupons」がありました!

国際子ども図書館に2冊が原書とその英語訳であるかの確認依頼と、郵送貸出の申込をしました。後日確認の返事とともに仏語、英語の本が無事吹田市立図書館に送られ、質問された方に読みくらべていただくことができました。


リヤカーの写真や絵がみたい。

「『リヤカー』の絵を描くので写真や絵がみたい。」と問合せがありました。

昭和30年頃にはよく見かけたとのこと。最近では宅配便の自転車についている荷車が後輩になるでしょうか?
早速、日本の歴史(210)や風俗(380)機械や乗り物(530)の棚にある本をめくりました。
昭和の本は平和学習のため貸出中で見つかりません。
時間がかかっても良いのであれば、他の図書館に応援してもらって取り寄せもできたのですが、お急ぎのご様子。
児童書の棚から一冊発見!借りていただけました。
後日、利用者の方から「参考にして、描けたよ」と作品を見せていただきました。お役に立てて良かったです。
『日本の生活道具百科4 働く道具』(河出書房新社)この本の62ページに大八車と一緒に載っていました。(なるほど!)


高梨豊の『都市へ』が最近復刊されたらしいので
どこから出たのかを知りたい。

高梨豊は1974年にご質問の「都市へ」を刊行していました。最近の復刊ということなので、まず、国内で発行され現在入手可能な書籍を収録する書籍検索サイトを調べましたが、ありませんでした。

次に、写真集の復刊をキーワードにしてインターネットで調べてみると、海外に復刻のシリーズがあると出てきたので、洋書で検索を行うと該当のシリーズが見つかりました。

書名は『Toshi−e』シリーズ名は『Books on books』出版社がErrata Editionsでした。


カタルーニャ音楽堂の写真が見たい

建築家リュイス・ドメニク・イ・モンタネールの建築物の写真が見たい、とのご要望がありました。特に、スペイン、カタルーニャにある、音楽堂(カタルーニャ音楽堂)の写真が見たいとのこと。不勉強ながら、まったく聞いたことのない人物でしたが・・・。

まずはどういう人物なのか、いつの時代の人なのかを人物事典で調べました。すると、ガウディと同時代の人で、ガウディのライバルと言われている人物だとわかりました。
時代と国が特定できたので、その時代の建築関係の本を取り寄せ中身を確認。また、その名前で検索をし、ヒットした本も取り寄せました。

モンタネールの名前でヒットし、この本がぴったりかな?と思っていた『世紀末建築 2』田原 桂一/写真 文(講談社)が、吹田図書館の本は行方不明になっており、大阪府立図書館から借りて、ご提供させていただきました。
『世紀末建築 2』が一番ご要望に合った内容でしたが、『ガウディになれなかった男』森枝 雄司/著(徳間書店)、『バルセロナ・カタルーニャ美術散歩』森枝 雄司/著(JTB)にも写真が載っていました。


大徳寺(京都)の歴代の貫主の名前と年代を知りたい

*貫主とは・・・一宗一派の頭領のこと。各宗の本山や諸大寺の住持の一般的敬称。
*住持とは・・・寺院の主管者。住職のこと

さて、まずは受け付けた館にある辞典類を調べたところ、目当ての記載は無かったのですが、それらの本で紹介されていた参考資料の中から吹田市所蔵の本や大阪府立図書館、国立国会図書館の本を取り寄せて当たってみました。

吹田市所蔵の『古寺巡礼京都 16 大徳寺』には住持一覧があったのですが、年代までは載っていませんでした。

大阪府立中之島図書館の『禅学大辞典 上・下・別巻』は個人貸出が出来ない資料ですが、吹田市の図書館まで取り寄せることができたので調べたところ、別巻の「日本禅宗各派本山世代表」に“世代・世代名・示寂(高僧などが亡くなること)年代・世寿”が掲載されていました。
同じく『大徳寺系譜』にも巻末に「大徳寺住持歴代」があり、“代數・號・名(諱)・國師號・禪師號・示寂年代・世壽”が判明しました。

また国立国会図書館から取り寄せた『史料大徳寺の歴史』にも、“世代・世代名・諡号(没後に贈られる「おくりな」のこと)別号・嗣法師・出世年月日・没年月日・世寿・出身地・俗性・所属門派”までもが詳しく載っていましたので、これらの資料を閲覧していただいて無事解決。(*^_^*)

☆たとえ個人貸出の出来ない資料でも、吹田市の図書館までは取り寄せることができる場合もありますので、お気軽にご相談ください☆

『古寺巡礼京都 16 大徳寺』(淡交社)
『禅学大辞典 別巻』(大修館書店)
『大徳寺系譜』(河原書店)
『史料大徳寺の歴史』(毎日新聞社)


合掌造りの造りがわかる本が見たい

合掌造りの造りがわかる写真やイラストが見たいというお問い合わせがありました。今すぐ借りられるものがご希望とのこと。

手始めに「合掌造り」や「白川郷」などのキーワードを入力して館内にある本を検索してみましたが、その中にはご希望に叶う本はありませんでした。蔵書検索機だけでは、なかなか都合よく望む本は見つからないものなので、次に、建築や写真集など関係のありそうな棚に並ぶ本のタイトルから検討をつけて、内容を見ていきました。しかし、ここでも見当たらず。やれ、困ったと思い始めたときに、児童室の本を見ていないことを思い出しました。写真やイラストが豊富で、子どものためにわかりやすく書かれた児童書は、大人の調べ物にも役立ちます。児童室の建築関係の棚でようやく大きめのイラストや図がある『和風建築の大研究』(PHP研究所)と『日本の家』織田憲嗣/さく(福音館書店)を見つけ、お問合わせの方もこれで良いとのことだったので、ほっとした次第です。大人の皆様も調べ物にどうぞ、児童書もご利用下さい。

さて、調べ物が終了した後で「世界遺産」というキーワードを忘れていたことに気づき館内の本を確かめると合掌造りの大きな写真が載った『世界遺産11』(毎日新聞社)がありました・・・。このように日々、皆様からの質問で鍛えられております。


奈良漬の作り方を知りたい

皆さん、よくご存知の奈良漬。こんなにポピュラーな漬物の作り方なら料理の本のコーナーですぐに見つかると思っていたら、詳しい作り方の書いてある本は、案外ありませんでした。そこで、中央図書館の書庫にある古い漬物の本を見てみることにしました。

すると、『つけもの(食品事典7)』河野友美/編(真珠書院)という昭和43年に刊行された本に、奈良漬の由来から作り方まで載っていました。その本に、もとは白うりを粕に漬けたものに限って奈良漬と呼んでいたという記述があったので、別の本で「白うり」の漬物の作り方を探してみると「白うりのこはくづけ」など別の名前で作り方の載っているものもありました。

図書館では、古くなってあまり読まれなくなった資料を書庫で保存していますが、このように調べものに古い資料が役に立つことがしばしばあります。

後日、『漬け物百科』家の光協会/編(家の光協会)などにも載っていることがわかりました。


芭蕉の俳句の英訳をいくつか見たい

●『日本文学史 近世篇 上』ドナルド・キーン/著(中央公論社)には50句ほど英訳有。
●『俳句からHaikuへ』佐藤和夫/著(南雲堂)には少し有。
●『古池に蛙は飛びこんだか』長谷川櫂/著(花神社)は1句有。

ほかに、佐藤紘彰の『One hundred frogs』(ウエザヒル出版社)に「古池や・・・」の英訳が100以上紹介されているという記述もありました。


大阪市の歴代区長の名前が知りたい

「大阪市大正区と西淀川区の歴代区長の名前と、東淀川区の出張所の歴代所長の名前が知りたい。」というお問い合わせがありました。

早速吹田市立図書館所蔵の本を調べましたが見付かりません。こういう場合は地元の方が詳しいので大阪市立図書館に問い合わせました。全国の図書館でこういった質問に対して協力し合っているのです。区長については本を教えていただきました。

しかし出張所については大阪市立図書館でも見つかりませんでした。そこで次に東淀川区役所や出張所に問い合わせましたが、本や冊子になっているものはないそうです。残念ながら「ない」という回答になりました。


唱歌「雨ふり」あめあめふるふる〜の楽譜を探して

梅雨の時期、ふと思い出される唱歌「あめふり」。この「あめあめふれふれかあさんが〜」(北原白秋/作詞・中山晋平/作曲)という歌とは全く別の「雨ふり」という唱歌があることをご存知ですか。歌い出しは「あめあめふるふるたにはたに〜」。

ご質問は歌詞から始まりました。この歌の楽譜をご覧になりたいとのご希望。当たりを付けるため、歌詞をインターネットで調べてみると、「雨ふり」という唱歌との事、それならばと当館所蔵の唱歌の本を調べましたが、記載がありません。そこで、国立(くにたち)音楽大学附属図書館の「童謡・唱歌索引」で検索しました。すると・・・『うたのほん 下』文部省/編(日本学舎)に収載されていることが分かりました。

なお、国立国会図書館ホームページの調べ方案内にて紹介されているウェブサイト「なつかしい童謡・唱歌・わらべ歌・寮歌・民謡・歌謡」では、メロディを聴くことが可能です。


『続 大連市』の所蔵問い合わせがありました

『続 大連市』太田豊/編 の所蔵問い合わせがありました。

平成22年3月3日の毎日新聞の「顔」に記載されていたとのことでした。新聞に紹介されていたので、すぐに出版事項がわかると思っていましたが、国会図書館をはじめ、府県立図書館を調べても、全く所蔵されていませんでした。インターネットで検索しても、出版事項については出てきませんでした。いろいろ調べましたが、なかなか本についての詳細がつかめません。

記事をよく読むと、編者の方が旧大連市民の方でつくる「大連会」の方だということがわかりました。大連会に連絡すれば、わかるかもしれないと思い、インターネットで連絡先を調べ聞いてみることにしました。大連会の方によると、「10年かけて作成し、会員に配布したもので、購入するなら会員以外の方でもお分けすることができます。」ということでした。

残念ながら、図書館では購入することはできませんでしたので、利用者の方に連絡先等をお伝えしました。新聞にとりあげられた本ですが、なかなか苦労した1冊でした。


「読書相談」が今年2月で70号を迎えました

図書館で本を借りる。
これは当たり前ですが、もう一つ当り前のサービスなのに知られていないことに読書相談があります。というフレーズをどこかでお読みになったことがありますか?

調べもの手伝います。と始まった「読書相談」という山田図書館発行のチラシが今年2月で70号を迎えました。2002年8月発行の40号まではB5判、その後時代の流れによりA4判となり月日を重ねてきました。

第1号に掲載された質問は、『畩』という字は本当にあるのか?というものでした。大漢和辞典に載っていなかったこの字は国字で、袈裟のことでした。そして、今回の70号では天神橋筋商店街の歴史についての文献紹介が掲載されました。江戸時代に出された『摂津名所図会』にも天満菜蔬(あおもの)市が紹介されています。

これからもカウンターの中から皆さんと一緒に身近な疑問に取り組んでいきたいと思っています。どうぞ、お気軽に声をおかけ下さい。お待ちしております。


彼岸花について知りたい

公園の近くにあるせいか、身近な植物について調べに来られる方がいらっしゃいます。彼岸花について知りたいと来られた方がありました。

(1)彼岸花は別名「死人花」とも呼ばれるが、そのいわれを知りたい。
(2)どうしていつも同じ時期に咲くのか、知りたい。
(3)南アフリカ原産で「アマゾン○○」という白い彼岸花があると聞いたが、正式には何という花で、どんな型の花か知りたい。

ご本人は、『園芸植物大事典』(小学館)で、あらかじめ調べていらっしゃいました。

(1)民俗学の参考書で探すと、『日本俗信辞典 動・植物編』鈴木とう三/著(角川書店)に、かなり詳しい記述がありました。494ページに、『和漢三才図会』によると「ひがんばなは墓に多く生えるところから死人花と俗称して人家に植えることを忌む・・・」とあるようです。その他、色々な地方の言い伝えが記載されています。

(2)コンピューターで検索すると、『ヒガンバナのひみつ』かこさとし/作(小峰書店)が、ヒットしました。児童書ですが、ヒガンバナについて、分かりやすく色々な角度から説明しています。

(3)『園芸植物大事典』の彼岸花の項目を見ると南アフリカには無く、南アメリカ原産だと分かりました。「アマゾン○○」と言う名前からして、南アメリカ原産だと思われます。グーグルで、彼岸花×アマゾンで検索すると、「アマゾンユリ」がヒットしました。『園芸植物大事典』で確認すると、アマゾンユリ(ヒガンバナ科)が見つかりました。写真もあり、白い花でした。