「医者に四十肩って言われてさぁ。」
江坂図書館のある朝は、こんな会話から始まりました。
「それって40代だから四十肩なんですか?もし館長だったら五十肩になるんですか?」
「どちらかは病名としてはないらしいよ。」
これは、司書としてはっきりとさせなければなりません。
まず、どちらが病名としてあるのかという事を調べるために、『南山堂医学大辞典』(南山堂)をみてみました。
すると、五十肩はありますが四十肩は載っていません。
五十肩の説明では、50歳頃になって肩に疼痛と関節拘縮をきたす疾患である。
とあり、年齢も関係する病気のようです。
次に『世界大百科事典』(平凡社)では、四十肩ともいう。
という表記があり、同じものだということが分かりました。
『新・病気とからだの読本 6 骨・筋肉と皮膚の病気』岩田誠/監修(暮らしの手帖社)では、江戸時代の「俚言集覧」に「およそ人五十歳ばかりの時、手、腕、骨節痛むことあり、ほど過ぎれば薬せずして癒ゆるものなり、俗にこれを五十腕とも五十肩ともいう、また長命病という」
と載っており、江戸時代からあったものだ。
とあり、昔からあった病だとわかりました。
整形外科的な正確な病名は、肩関節周囲炎といい、肩関節のまわりの組織が変化したり炎症を起こした結果、痛みが出てきたのが、「いわゆる五十肩」で、放っておいても、大部分が自然に治るのも特徴の一つだということです。
結局、四十肩と五十肩は同じ病で、40歳代の人に五十肩といっては気の毒なので、お医者さんも40歳代の人には、四十肩と言うのだという事のようです。
余談ですが、60歳代の患者さんに五十肩と言っても傷つけることはないので、六十肩という言葉は使われていないそうです。
ふとした日常会話にも、知らないことは潜んでいます。
みなさんも日常ふと疑問に感じたことは、どんどん図書館を使って解決していってくださいね。