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2011年度

図書館に寄せられた、身近な疑問・ユニークな質問・四苦八苦(?)した難問をご紹介

芥川賞と直木賞の選考基準が知りたい

1月は作家への登竜門として、最も権威ある賞とされている芥川賞と直木賞が発表される月ですね。
以前、図書館の常連さんが「芥川賞は純文学で直木賞は大衆文学っていうのは感じとしてわかるんだけど、はっきりした基準ってあるのかな?」とお尋ねになりました。

まずご存知の方は多いと思いますが、正式名称はそれぞれ「芥川龍之介賞」「直木三十五賞」で、小説家であり文藝春秋社を創設した菊池寛が、『文藝春秋』昭和10年1月号に「芥川・直木賞宣言」を発表して創設しました。
 
『最新文学賞事典』(日外アソシエーツ)によると、
芥川賞の選考基準は、[[対象]新聞,雑誌(同人誌を含む)に発表された新人の短編小説のうち最も優秀なものに贈られる。]
直木賞の選考基準は、[各新聞,雑誌,あるいは単行本の形で発表された大衆文芸中最も優秀なものに贈られる。]
とあります。

この選考基準を見ると、芥川賞の基準には、新人、短編、と言う言葉が見られ、直木賞の基準では、単行本、大衆文芸という言葉が見られます。
確かに、最年少受賞者が話題になる芥川賞に対して、直木賞はキャリアのある作家が受賞することが多かったり、各賞が発表されると、図書館では対象作品に予約が殺到するのですが、すでに単行本が刊行されている直木賞受賞作に対して、芥川賞受賞作は単行本が未刊行のため、掲載雑誌(芥川賞の受賞作は、「文藝春秋」に掲載されます)を提供する事があります。

又、『世界大百科事典』(平凡社)には、[戦後は純文学と大衆文学の接近がはかられ中間小説ばやりとなったことを反映して、芥川賞、直木賞の区別が設定当初より厳密でなくなったことが指摘される。]と書かれており、実際直木賞候補の作品が、下読み段階で芥川賞に回され受賞したり、直木賞・芥川賞の両方で候補に挙がった作品もあったようです。


卒寿のお祝いは何がいい?

卒寿のお祝いには何を贈るのがふさわしいのかというご相談を受けました。
長寿のお祝い(賀寿)の贈りものとして有名なのは、還暦の赤いちゃんちゃんこですが、卒寿の贈りものにも何か決まったものはあるのでしょうか。

卒寿は90歳。
「卒」の略字は「卆」と書き、九十と読めることが名称の由来です。
還暦以外の賀寿にはとくに決まった贈りものはないそうですが、卒寿・白寿(99歳)には、白色のものを贈るともいわれます。
また、古希(70歳)・喜寿(77歳)には紫色、傘寿(80歳)・米寿(88歳)には金茶色のものを贈るともいわれますが、まずはご本人の好みや生活習慣に合わせて、喜んでいただけるものを贈るのがよいそうです。

ところで、還暦にはなぜ赤いものを贈るのでしょうか。
還暦は61年目に生まれた干支に戻ることから、赤ちゃんに還るとされて、赤いものを贈るようになりました。
また、赤には魔除けの意味もあったそうです。
かつては赤いちゃんちゃんこや赤い座ぶとんを贈ってお祝いしましたが、最近では赤にちなんだものや、赤にこだわらず贈る方も増えています。
今は還暦の方といってもまだまだ現役で若々しいので、長寿のお祝いは古希や喜寿からすることも多いようです。

『「贈る」と「お返し」のマナー』松本繁美/監修(主婦の友社)
『冠婚葬祭マナー事典』(小学館)
『いま、すぐ役立つ冠婚葬祭百科』(日本放送出版協会)


エルヴィス・プレスリーが歌っている曲の楽譜を見たい

図書館ではポピュラーなものを中心に、様々なジャンルの楽譜を所蔵していますが、お探しの特定の曲の楽譜が載っている本を見つけ出すのは簡単そうで意外と難しいですよね?でも、こんな時に強力な助っ人がいるんです。

今回のように「この曲の楽譜を探しているんだけど」というお問い合わせをよくいただきます。まずは本棚に行き、お探しの曲が載っていそうな本を見て確認します。載っている本があればそれで終了ですが、残念ながらない場合がよくあります。

そんな時に、とても役に立つ調べ方があります。インターネットの「楽譜ネット」(http://www.gakufu.ne.jp/GakufuNet/)というサイトです。エルヴィス・プレスリーの「好きにならずにいられない」という曲を例に、ご紹介していきます。

インターネットの「楽譜ネット」のサイト内の「キーワード検索」で“プレスリー”と“好きにならずにいられない”と入力し検索すると、16件ヒットし、品名・出版社・定価・ジャンル名の表が出ました。この品名が本のタイトルです。次に、1冊ずつ収載内容の欄で曲名・歌手名などを確認します。そして、その本が図書館にあるかを調べれば調査は完了です。今回お問い合わせの楽譜は、『服部克久ピアノ・ポップスセレクション?ポピュラー編』という本に収録されていました。

残念ながら、吹田市立図書館はこの本を持っていませんでしたが、大阪府下の図書館から借りて、お渡しすることができました。(上記以外にもサイト内での調べ方はたくさんあります。)

この楽譜ネットは誰でも利用できるサイトです。一度お試しください。


狂犬病予防法の条文がみたい!

犬の飼い主は、飼い犬に年に一度予防注射を受けさせること、飼犬登録することなどが義務づけられています。
その元になっているのが「狂犬病予防法」なのですが、この条文をみたいという問い合わせがありました。

法令のことなら『六法全書 平成23年版 1〜2』(有斐閣)を調べて・・・、といきたいところですが記載されていません。
なぜ!?
六法全書には主だった重要法令のみが収録されており、すべての法令が記載されているわけではないのです。

狂犬病予防法のような細やかな法律は、『現行法規総覧』衆議院法制局/編集(第一法規出版)に記載されています。
また、インターネットでは、総務省行政管理局が運営している『法令データ提供システム』(http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxsearch.cgi)でも全文を確認することができます。

ちなみに下記の資料によれば、こうした法整備と島国という地形的理由から、日本での犬における狂犬病は、1957年以降発生していないそうです。
しかし、海外で犬に咬まれた日本人が帰国後発症するなど、世界的には増加傾向にあるようです。

『狂犬病再侵入』神山恒夫/著(地人書館)
『ヒトの狂犬病 忘れられた死の病』高山直秀/著(時空出版)
『移入・外来・侵入種 生物多様性を脅かすもの』川道美枝子ほか/編(築地書館)


上の川のはじまりはどこから

吹田市内を流れる「上の川」はどこがはじまりですか。

記憶にあった豊津あたりから地図で上流へとさかのぼってみることにしました。
山手町と円山町の境を阪急電鉄千里線沿いにたどり、千里山東2丁目あたりが川のはじまりでした。
下流は、垂水町2丁目で糸田川右岸に注いでいます。

実は、この「上の川」は、天井川で 「糸田川」と共に毎年のように水害をもたらしていました。
ことに、昭和15年7月の豪雨の被害は大きく、垂水一帯で450戸以上の家屋が床上浸水の被害を出しました。
昭和16年から17年にかけて 円山町南部から垂水町2丁目南部までの流路は、改修、変更されほぼ現在の姿になりました。
この大改修工事を記念して碑が10年後の昭和27年に垂水町の有志によって建てられました。記念碑は 阪急豊津駅の派出所前にあります。
また、現在でも「旧上の川」の水路跡(垂水町1丁目)を見ることができます。

参考文献
『ゼンリン住宅地図 大阪府吹田市 1』(ゼンリン)
『石の声碑の語り セピア色の写真から 続』吹田市市長室広報課/編集・発行
『すいた歴史散歩』吹田郷土史研究会/著(吹田市教育委員会)


吹田市の海抜を知りたい

今年は、地震や洪水など自然災害が頻発しています。
東日本大震災で被災された方々には心からお見舞い申し上げます。
そんな中、「吹田は津波や洪水の時は一体どないなるんや?我が家の海抜を知りたい」との質問を受け、早速調べてみました。

海抜は、載っていませんでしたが、『北部大阪都市計画図(吹田市)』(吹田市)には、等高線が載っていましたので、「大体の高さ」はわかりました。
又、いくつかの地図サイトでも、任意の地点の海抜を調べる事ができます。

そのほか、災害の備えの参考には、『吹田市洪水避難地図 洪水ハザードマップ』(吹田市)には、吹田の浸水予想や過去の被害が載っています。
これは、吹田市役所安心安全室のホームページ上でも最新のものが閲覧可能です。
『防災ハンドブック 保存版』(吹田市安心安全室)には、吹田市を阪神・淡路大震災クラスの地震がおそった場合の「震度」「液状化」などの被害予測地図も載っていて参考になります。


書道展でみた漢詩の全文が知りたい

錢惟善「夏雨染成千樹緑 暮風散作一江煙」という漢詩の全文が知りたいという質問です。
人・詩・書道から探します。
「夏雨(かう)染め成す千樹の緑 暮風(ぼふう)散じ作(な)す一江(いっこう)の煙」

書き下し文が『新註墨場必携 大文館書店版』(木耳社)にありました。
『中国書道文化辞典』西村昭一/著(柳原出版)によると、錢惟善(せんいぜん)という人は、元〜明時代の詩人・書家ということがわかりました。
元・明代の漢詩集や、書道関係で元・明代の漢詩が載っている本を中心に探しましたが、全文は見つかりません。

そこで大阪府立図書館にレファレンス協力をお願いしたところ、大阪府立中之島図書館所蔵『西湖遊覧志 7巻』<甲漢76>4冊目7巻5丁15行目に全文が載っていることがわかりました。
貴重書なのでお借りすることはできませんが、インターネットから早稲田大学古典籍データーベースでデジタル画像を見ることができると教えていただきました。
ただし書き下し文、意味などは大阪府立図書館でもわからないそうです。

図書館では、自館で調査が完了しない場合、他の図書館や専門機関に問い合わすことがあります。
また国会図書館ウェブサイトの
「デジタル化資料(貴重書等)」(http://dl.ndl.go.jp/#classic)、
「近代デジタルライブラリー」(http://kindai.ndl.go.jp/index.html)などインターネットで閲覧できるデジタル資料も増えてきています。


四十肩と五十肩って年齢で病名が違うの?

「医者に四十肩って言われてさぁ。」
江坂図書館のある朝は、こんな会話から始まりました。
「それって40代だから四十肩なんですか?もし館長だったら五十肩になるんですか?」
「どちらかは病名としてはないらしいよ。」
これは、司書としてはっきりとさせなければなりません。

まず、どちらが病名としてあるのかという事を調べるために、『南山堂医学大辞典』(南山堂)をみてみました。
すると、五十肩はありますが四十肩は載っていません。
五十肩の説明では、50歳頃になって肩に疼痛と関節拘縮をきたす疾患である。
とあり、年齢も関係する病気のようです。

次に『世界大百科事典』(平凡社)では、四十肩ともいう。
という表記があり、同じものだということが分かりました。

『新・病気とからだの読本 6 骨・筋肉と皮膚の病気』岩田誠/監修(暮らしの手帖社)では、江戸時代の「俚言集覧」に「およそ人五十歳ばかりの時、手、腕、骨節痛むことあり、ほど過ぎれば薬せずして癒ゆるものなり、俗にこれを五十腕とも五十肩ともいう、また長命病という」
と載っており、江戸時代からあったものだ。
とあり、昔からあった病だとわかりました。
整形外科的な正確な病名は、肩関節周囲炎といい、肩関節のまわりの組織が変化したり炎症を起こした結果、痛みが出てきたのが、「いわゆる五十肩」で、放っておいても、大部分が自然に治るのも特徴の一つだということです。

結局、四十肩と五十肩は同じ病で、40歳代の人に五十肩といっては気の毒なので、お医者さんも40歳代の人には、四十肩と言うのだという事のようです。
余談ですが、60歳代の患者さんに五十肩と言っても傷つけることはないので、六十肩という言葉は使われていないそうです。

ふとした日常会話にも、知らないことは潜んでいます。
みなさんも日常ふと疑問に感じたことは、どんどん図書館を使って解決していってくださいね。


ねぎぼうずの写真が見たいな

『ねぎぼうずのあさたろう』飯野和好/著(福音館書店)という絵本の主人公ねぎぼうず。
このねぎぼうずの写真が見たいとのこと、また、細いねぎにもねぎぼうずはできるの?
との質問です。

ねぎぼうずの写真は児童向けの本に、花が咲く直前のすがた(つぼみ)と花が咲いたときの写真が載っていました。
つぼみは薄い膜に覆われています。
この姿が僧侶に似ていることから、ねぎぼうず、と名づけられたそうです。
また、細いねぎとは関西でうどんの薬味に使う葉ねぎのことでしょう。
葉ねぎの品種である九条ねぎのねぎぼうずの写真が載っている本がありました。

しかし、ねぎぼうずの出ないものもあるようです。
花が出ずに芽がつくヤグラネギ、株分けで増える坊主不知(ぼうずしらず)です。
ねぎにもいろいろあるんですね。

『やさいを育てて食べよう! 4 たまねぎ』深光富士男/著(学習研究社)
『京の伝統野菜と旬野菜』高嶋四郎/編著(トンボ出版)
『食材図典』(小学館)

橋の欄干、お神輿の屋根についているタマネギのようなものもねぎぼうずをかたどった形であるといわれているそうです。
野菜についてのおもしろいエピソードが『身近な野菜のなるほど観察記』稲垣栄洋/著(草思社)に載っていました。


データベースについて

図書館では、日常の疑問や情報などさまざまな調べ物のお手伝いをします。もちろん図書館の本を利用しますが、インターネットを利用したデータベースを使って調べることもあります。
今回は、千里山・佐井寺図書館でご利用いただけるオンラインデータベースをご紹介します。

『日経テレコン21』
日経四紙(日本経済新聞・日経産業新聞・日経流通新聞・日経金融新聞)の新聞記事を全文検索できます。また企業検索では、全国主要約3万社の事業内容・役員大株主・労務状況・要約賃借対照表・要約損益計算書など最新データを収録しています。マーケット関連では、株価・日経平均・為替などの情報がすぐわかります。
(日経テレコン21は江坂図書館でもご利用できます。)

『聞蔵2 ビジュアル(朝日新聞記事データベース)』
戦後(1945年〜1984年)の新聞記事すべてを検索可能。1984年以後は記事データベースで検索可能。最新記事をいち早く収録毎日1000件追加される日本最大級の収録記事数です。また、全国の本紙(東京・大阪・西部・名古屋・北海道の各本社)・地域面(1998年から順次収録開始。現在は沖縄県を除く全都道府県の主要地域面を収録)が検索できます。AERA(1988年5月創刊号〜)や週刊朝日(2000年4月〜)も読めます。

『Japan Knowledge』
「日本大百科全書」をはじめとする30種以上のコンテンツが搭載されています。辞典・事典群を中心に書籍・雑誌など検索できます。また、アジアの名著を集めたと言われる「東洋文庫」692冊収録し書名のみならず全文での検索が可能です。全頁PDF形式で書籍そのままの表示で閲覧が可能です。

『NICHIGAI/WEB (MAGAZINEPLUS・BOOKPLUS)』
MAGAZINEPLUSは、一般誌から専門誌、大学紀要、海外誌紙まで収録した日本最大規模データベースです。国立国会図書館(NDL)の「雑誌記事索引」ファイルを収録するほか、「雑誌記事索引」ではカバーしきれない年報類・論文集(14000点・62万論文)や、一般誌などを追加。MAGAZINEPLUS合計で約33000誌、1145万件(論文・記事)を収録しています。
BOOKPLUSは、昭和元年より現在までに出版された本の情報、約193万件あります。絶版書も多数収録し、網羅的な資料調査・研究に利用できます。また、1986年以降の本には、内容・目次情報、小説のあらすじを収録しています。

『毎日Newsパック』
毎日新聞東京本社発行の朝夕刊の全文(1987〜)をはじめ、大阪本社・西部本社・中部本社・北海道支部の記事、各都道府県の地方面の記事を収録しています。また週刊エコノミストの全文記事を収録しています。


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