トップページ] [施設案内] [ご利用案内] [お知らせ・イベント] [利用状況] [図書館協議会] [リンク
蔵書検索][レファレンス] [利用者情報変更][赤ちゃん・子ども] [吹田の郷土資料][障がい者サービス

2011年度

「泣いた」「笑った」「感動した」図書館職員が読書体験の中から紹介する珠玉の1冊

『海の壁』吉村昭/著(中央公論社)

『三陸海岸大津波』と改題され、三陸海岸を明治から昭和に何回となく襲った津波の恐ろしさの記録や証言が書かれています。
私自身、この本を読んで初めて船に乗っていて岸から二、三百メートルはなれていたら、むしろ沖へ逃げた方が安全である事を知りました。
昨今、東南海地震など想定される中、いま一度地元の石碑や地名の由来、活断層など考えてみてはいかがでしょうか。
改めて避難場所の確認も是非、備えておいてください。(N)


『ツバメ号とアマゾン号』
アーサー・ランサム/著 神宮輝夫/訳(岩波書店)

イギリスの湖水地方を舞台にした「ツバメ号とアマゾン号」シリーズは全部で12冊。
第1作目は、夏休みの冒険です。4人の子どもたちが、無人島でキャンプしているとアマゾン海賊と名乗る二人の女の子が現れて・・・
きらきらワクワクした子ども時代の休暇の思い出がつまっています。
最近読まれていないようで残念ですが、面白さについては太鼓判を捺します。
子ども心を忘れていない大人の方にお薦めです。(N)


『時の旅人』アリソン・アトリー/著(岩波書店)

児童書の本棚に並んでいた小野章訳の評論社刊の少し古びたその本。
アトリーといえばグレーラビットなど幼年むきのイメージがあり、題名もSFファンタジーかしら???と敬遠していたのが読んでビックリ。
スコットランドのメアリーの史実にからめて時空を旅する少女の冒険と淡い想いが、大好きな民謡グリーンスリーブスに合わさり胸を打ちました。
その後、松野正子訳の岩波少年文庫で再刊となりました。
図書館ではどちらの版もご覧になれます。(花)


『フリーター、家を買う。』有川浩/著(幻冬舎)

「図書館戦争」のシリーズでお馴染みの有川浩さんの作品です。
ドラマ化もされたのでご存知の方も多いのではないでしょうか。
たった三ヶ月で仕事を辞め、「いつでも再就職なんて簡単!」と世の中をなめているという表現がぴったりの主人公。
どうしようもない主人公が家族の問題にぶち当たり、本気で考え、目標に向かい、成長していく姿がとても気持ちのいい作品です。(M)


『ゲイルズバーグの春を愛す』ジャック・フィニイ/著(早川書房)

著者の、アメリカの古き良き時代への強い郷愁(訳者によると現実否定)が込められた、一風変わったファンタジー短編集です。
日常に起こる何とも奇妙な出来事は読んだ後、居心地がいいような悪いような・・・温かく、ちょっと切ない気持になります。
同著者の長編『ふりだしに戻る』(角川書店)は過去へタイムスリップをする物語ですが、タイムマシーンは使いません。
個性的な空気感は少し古臭いですが試してみませんか。(A)


『定家明月記私抄』堀田善衛/著(新潮社)

小倉百人一首の編者としても著名な藤原定家の日記、それが明月記です。
平家滅亡から鎌倉幕府への激動の時代、宮廷歌人である定家さんは、大きな歴史の波の間近にあって、あくまでも一個人です。
歌の先輩、西行に出会い感激し、頼朝の死にも私生活の詳細を書くことを止めず、新古今集編纂では後鳥羽院の気まぐれに疲れ果てています。
個人にとって歴史とは何か。
この本を読んでからの果てしないテーマです。(お)


『アルケミスト』パウロ・コエーリョ/著(地湧社)

1人の少年が、夢のお告げのとおりにエジプトのピラミッドを目指す旅に出ます。
旅の途中、さまざまな人との出会いがありますが、その登場人物の言葉が心にグッと来ます。
たとえば、「おまえが何かを望む時には、宇宙全体が協力して、それを実現するために助けてくれるのだよ」
何かに迷っている時、初めの一歩を踏み出せない時、勇気と希望を与えてくれる物語です。(W)


『うつの世界にさよならする100冊の本』
寺田真理子/著(ソフトバンククリエイティブ)

日本では、約15人に1人が生涯に1度はうつ病を経験すると言われています。
この本の著者は、本を読むことで、新しい自分と出会い、ひどいうつを克服しました。
美しい写真集から回復のためのトレーニングの本まで、100冊の本を「うつに効くエッセンス」を凝縮した形で紹介しています。
この本を読むだけでも、ココロがちょっとラクになる感じがします。(MO)


『風をつかまえて』高嶋哲夫/著(日本放送出版協会)

原発の事故以来、自然エネルギーによる発電が注目を浴びています。
この本は、町おこしのために「風車」造りを頼まれた町の小さな鉄工所を舞台にした、地域と家族の再生をかけた父子の物語です。
見栄えが良く、発電もでき、しかも安い「風車」の製作を依頼され、主人公は父や姉を助け資金難や失敗、事故など様々な困難を乗り越えていきます。
『M8』、『津波』、『ジェミニの方舟』の災害三部作の著者です。


『反芸術奇談』菊畑茂久馬/著(海鳥社)

1950年代から60年代にかけて、これまでの美術や美術界に反発する若い人たちが、過激な行動に走った時代がありました。
東京の「ネオダダ」関西の「具体」に対する西の雄「九州派」とはどんなグループだったんでしょうか。
作っては壊す作品、後に何も残らないハプニング、現代芸術芸者論、取っ組み合いになった針生一郎との対談など、ほとんど伝説になった活動を代表的作家がユーモラスに語ります。(Sk)


『香山滋全集 全14巻+別巻』香山滋/著(三一書房)

香山滋(かやま・しげる)と聞いてピンと来られる方はどれほどいるでしょうか?
昭和29年に劇場公開された「ゴジラ」の小説化をした作家です。
昭和30年代〜40年代、怪獣映画に夢中になっていた私が図書館に勤めて、やっと目にすることができた「ゴジラ」の小説でした。
特にお薦めは第14巻と第7巻。
小説版「ゴジラ」とシナリオ形式「ゴジラ」を読み比べてみて下さい。
また、第14巻には映画第2作「ゴジラの逆襲」の小説版も所収されています。(一)


『智恵子抄』高村光太郎/著(新潮社)

中学生の頃、乱読していた中の1冊です。
狂ってしまった智恵子は千鳥と戯れ、光太郎はなすすべもなく立ち尽くす・・・
東京には空がないと嘆く智恵子。
光太郎の詩には、智恵子への愛情が哀しい程満ちています。
生活とか仕事とかややこしいことじゃなく、2人の愛のことだけをうたった詩集は日常からかけ離れているが故に輝きます。
智恵子の出身は福島県。
今読むと美しいが故に悲しい風景。(keikei)


『作家の食と酒と』重金敦之/著(左右社)

編集者として松本清張、向田邦子、山口瞳、渡辺淳一など多くの作家を担当した著者の食と酒にまつわるエピソードが満載です。
例えば松本清張は、酒をまったくたしなまない人で、鰻を食べながらの打ち合わせでは、あっという間に食べ終えて「これで終わりか」と言ったとか。
ほんとうは板前になりたかったという向田邦子が開店した、酒と惣菜の店「ままや」の気配りなど、面白いおいしい話が楽しめます。(な)


『陰暦暮らし』千葉望/著(ランダムハウス講談社)

著者のご実家が被災地のお寺で避難所となっていることをラジオで知りました。
今年ほど、だれもが自然の力におののき、息をひそめて自然の鼓動に聞き入っている時はないかと思います。
取り巻くものほとんどすべてが自然のものであったころ、人はいかに豊かに自然と手を取り合っていたか、それは、陰暦で暮らしていたからこそだと分かります。
故郷、東北の暮らしの豊かさもふんだんに語られています。(お)


『世界の言語入門』黒田竜之助/著(講談社)

この入門書はアイスランド語からロシア語まで90の言語を見開き2ページずつで紹介しています。
日本語や英語に重きを置かず、50音順に同じ長さで紹介していくところが、著者の各言語に対する平等な愛を感じさせます。
内容は主観的で著者とその言語との関わりが多く語られますが、12のコラムが学問的な部分を補い、バランスのとれた作品となっています。(M)


『忘れられた花園 上・下』
ケイト・モートン/著 青木純子/訳(東京創元社)

1913年、オーストラリアの港に、記憶を失った幼い少女がたったひとりで取り残されていた。
所持品はおとぎ話の本が1冊だけ。
少女は、どこから来たのか?
美しい庭のあるお屋敷。
ロンドン下町の貧しい子どもたちの生活。
異なる時代・場所が交互に語られ、序々に謎が明らかになっていきます。
『秘密の花園』『オリヴァー・ツイスト』『レベッカ』等の小説を、わくわくしながら読んだ覚えのある方にお勧めします。(N)


『HOME 空から見た地球』
ヤン・アルテュス=ベルトラン/撮影 河村真紀子/訳,
谷通恵/訳,松永りえ/訳(ピエ・ブックス)

自然、都市、動物、人、農業、産業、地球温暖化・・・。
世界中の美しい写真が、人類が直視しなければならない数々の核心的な問題を提起しています。
様々な景色を写真集として楽しむことも出来ますが、同時に切なくもなる内容です。
「地球を守ること」について考えさせられます。(Z)


『家守綺譚』梨木香歩/著(新潮社)

亡くなった友人、高堂の家に家守として住むこととなった駆け出し作家の綿貫。
しかしその家には、鬼籍に入ったはずの友人が度々訪れ、庭の池には河童が迷い込む?
100年ほど前の日本を舞台に、四季折々の植物、そして、人ではないものとの交流が日常として描かれています。
狸に化かされ、子鬼を目撃する生活は、その時代の人々にとっては真実だったのかもしれません。
静かに満ち足りた気持ちになれる一冊です。(Y)


『あたらしいみかんのむきかた 25種』
岡田好弘/作,神谷圭介/絵・文(小学館)

工作ねたを日々探しています。
その中での大ヒット!
みかんに線を描いて、その通りに皮をむくと、動物の形ができあがります。
「コタツでみかん」の時期は終わってしまいましたが、ぜひ、チャレンジしてみてください。
楽しいですよ!
平田美咲/著『エコ*コモノ』の第2弾も力作ぞろい。
他にも子供向けの本も出ました。
工作や雑貨の本は、利用者の方から教えてもらうことも多いのです。
ありがとうございます。(に)


『流れ星が消えないうちに』橋本紡/著(新潮社)

恋愛だけじゃない「恋愛小説」です。
本のタイトルに惹かれて、手に取った本ですが、内容もお気に入りです。
主人公・奈緒子の気持ちを想像しながら読み進めると、すてきな恋ができるかも・・・。
大切な人と一緒に居られることの安らぎや楽しみ、失ってしまった悲しみや切なさなど、いろいろな感情が著者の丁寧な文章で表現されています。
快い読み終わりの物語です。(Y)


『漱石俳句集(漱石文学作品集16)』
夏目漱石/著(岩波書店)

明治22年の「知り合う」は、落語好きだという共通点から、親しくなった漱石と子規。
二人は、また俳句という文学形式でもつながりを持ちます。
漱石の俳句は、あくまでも余技としての雰囲気をもった自由で、大胆で、奇想です。
漱石の作品に親しまれた方も、「あんまり漱石は・・・」という方も、俳句に興味をお持ちのかたには是非お勧めします。
中でも、お気に入りは「菫ほどな小さき人に生まれたし」。(風)


本の紹介 蔵出し一冊 バックナンバー